読者投稿:ゆずにゃん(仮名)
28歳ぐらいだったシドニー留学時代の話。
日々の課題や授業に追われバイトする暇もなかった。
明後日には1か月分の家賃600ドルを用意しなければいけない。
手っ取り早く稼げるバイトをダメもとで探す。
そんな時、目に飛び込んできたのが
“せっかくの海外生活をリッチにしてみませんか?勉強やバイト漬けの日々から抜け出しませんか?”
と、言う見出し。
クリックして続きを読んでみる事にした。
“素敵な紳士と楽しくお食事やお話をするだけでお小遣いゲット”
これにかけてみようと思った、いや、これしか術がない。
掲載されていたメールアドレスに自分の名前、携帯番号を入力しメールを送信。
すぐに電話がかかってきた。
“水田”と名乗る男からだった。
水田が私に年齢や職業、
“こんな仕事をした事があるのか?”
など質問された後に、
仕事内容について話し始めた。
水田「日本人女性との出会いを求めている日本人男性とのであいの場を提供させて頂いております。で、今ちょうどあなたぐらいの年齢の女性を探している男性が居りまして…。この何分間か、あなたとお話させて頂いた感じだと男性があなたを凄く気に入られると思うんですが…。あなたがイヤでは無ければ会う方向でお話を進めますが…」
こんな感じで電話での面接を兼ねて水田と話していたが、
肝心な“お金の話”は未だ聞いてない。
給料システムについて聞いてみた。
水田「お小遣いですね!それは交渉次第です。ただ、この方は会社の社長さんなのでお小遣いは期待できそうです。一度会ってみてはどうですか?」
と、かなり推されたので会う事に。
まだ、お小遣いに関してはあやふやだが。
水田「では、田中さんと言う日本人男性で、年齢は50代半ば。会社の社長さんです。田中さんからあなたの方に連絡するように伝えておきますね。」
こんな簡単に会う段取りが進んだ。
世の中の“出会い系”や“援交”たるものは、
もっと複雑なシステムだと思ったがどうやら違うみたいだ、
シドニーに関しては。
そして田中との連絡もアッサリしていた。
田中「あのー、水田さんからの紹介の者なんですが…○○さんですか?どうも初めまして。いきなりですが、今日時間ありますか?」
いきなりだが、家賃支払いまで時間がない
なので、すぐに会う約束を。
私「では、15時に○○ストリートの▲▲カフェの屋外席で待ち合わせしましょう。とりあえず着いたら電話します。」
と、伝えて電話をきった。
高額のお小遣いが掛かっているので、待ち合わせ場所には早めに行き、
少しでも印象を良くしようと必死だった。
10分前には着いたから、ゆっくりお茶しながら待とうと思っていたら、
既に田中は来ていたようで“先にコーヒー飲んでます”とメールが来た。
屋外席に一人しか座っていなかったので田中がすぐに誰か分かった。
普通のおじさん、よくいる普通の。物腰の柔らかいおじさん。
髪は不自然な黒色で分け目がないから恐らくカツラ。
田中は私のドリンクをオーダーすると、来てくれて有難うと礼を言ってくれた。
そして、お世辞だと思うが私の容姿を褒めて、ついでに胸の大きさを褒めて頂いた。
オーダーしていたドリンクが来ると早速本題に入る、非常に仕事の早い田中。
田中「エッチしたらいくらぐらい払ったら良いかな?」
と、単刀直入に田中が言ってきたので私も話を進めやすかった。
私「実は早急に家賃を払わないといけなくて…。家賃が1か月800ドルなんで、800ドル頂きたいです!」
と、実際の家賃より多めに言った。
田中の顔が一瞬曇ったように見えたが、
田中「800かぁ~、700はダメかな?」
と、田中が値切ってきた。
そんな事は想定の範囲内だった、だから多めの家賃を言ったのだ。
それに10代20代前半と違い若くもないから値切られるのは当然だと思っていた。
これが相手の男性が欧米人であればアラサーでも22~23歳とサバ読みできてもっと稼げる。
相手がアジア人だと年齢はごまかせない。
だから700ドルは妥当かもしれない。
私「700ドルで大丈夫ですよ!」
と、田中に伝えた。
すると、
田中「もう一つお願いがあるんだけど…」
私は、また値切られるのかと思った。
田中「僕ね、キスする前は歯を磨いてほしいんだよね」
目前の700ドルのために快諾するしかなかった。
しかも、田中は既に歯磨きセットを用意していた。
“商談”が終わり、田中が良く利用しているホテルに直行した。
バックパッカーやモーテルのような安宿ではないが、クイーンサイズベッドが一台とクローゼット、
そしてユニットバスの必要最低限の設備のビジネスホテルぐらいのレベルのホテルだった。
部屋に入ると歯磨きとシャワーを促された。
シャワーに一緒に入らなかったから、カツラは確定。笑
私がシャワールームから出ると田中も流れ作業のように続く。
ほんとに“ヤル”だけなんだなーと思ったと同時に煩わしさが無く気楽に感じた。
シャワールームから出た田中は、私に覆いかぶさるように“事“を始めだした。
歯磨きをしたか念を押してからキスを始めて、気になっていた胸も堪能していた。
しかし、おっさんとのキスはキツイ。
ただ、高額な金額を払ってまでヤルと言う事は相当溜まってらっしゃるのか、
イクのが早い!
キスから始まって20分以内には終了、
即シャワールーム(私の胸の上でイッタので笑)。
シャワールームから出ると、
お小遣いの700ドルを用意して田中が待っていた。
受け取って、礼を言うと
田中「着替えたら先に出て行っていいからね。僕は暫くゆっくりしてから帰るから。今日はありがとうね。」
と、言われて部屋を出た。
部屋に入ってからの時間は40分ほど。
これで700ドルなら勉強もバイトも効率よくできるだろう、
おいしいバイトだと思っていたが、それ以来、田中からの連絡は一切なし。
田中の事はあてにはせず、知らないオジサンと寝るのに抵抗がなくなった私は、
一か月後に嬢として私が働き始めた。
その時に出会った日本人の同僚が居た。
彼女が一度だけ援交した時の話。
同僚「何かさー、バレバレなカツラのおっさんで歯磨きしろとか言うの。しかもさー、私のルームメイトも、そのおっさんらしいの!歯磨き用意してたらしいから!」
身近に“姉妹”がいてビックリ!
世間は狭い、特にシドニーの日本人社会は。
ただ、嬉しかった事は“お小遣い”の金額が彼女らより200ドル高かった事。
彼女らも私も同年代のアラサー。
この年代の相場は通常500ドルなんだと分かった。